【ご報告】神戸石炭行政訴訟 上告しました(2022/05/06)

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神戸製鋼の新設石炭火力発電所に関する国に対する行政訴訟について、原告団は、2022年4月26日言渡しの大阪高等裁判所の控訴審判決に対し、本日、上告及び上告受理申立てをしました。

控訴審判決は、大気汚染に関しては原告適格を認めつつも、原審の判断をそのまま追認し、大量に排出される CO2 の環境影響については、原告らの個別利益に関わるものではなく公益に関わるものだとしてそれを争う原告適格を認めず、原告らに、CO2 についての本件アセスの適正さを争う地位を認めませんでした。

また、PM2.5 について本件アセスで評価していない点については、PM2.5 を考慮対象とする選択肢は十分あったとまでは認めつつ、経済産業大臣の専門的・技術的裁量を前提に、アセス対象項目としなかったことが違法だとまでは言えないと判断しました。

世界においては、気候変動およびそれを加速する CO2の大量排出は、現時点でも違法な人権侵害であるとの法的認識が急速に広まりつつあり、各国の裁判所がこれを前提とした判決を次々に下しています。日本において、CO2 の大量排出という重大な人権侵害行為を、現時点では行政訴訟では一切争えないとする控訴審判決は、憲法上保障されている「裁判を受ける権利」をも侵害するものです。PM2.5 に関する判断などについても、日本における大気汚染物質に対する認識及び対策の遅れと、環境アセスの制度の根本的欠陥を示すものです。

日本が、世界に対する「公害」国家になってしまうことを防ぐことができるか、いま、日本の司法の役割が問われています。

原告団、弁護団は、人権擁護を基本価値とする憲法にも反し、また、環境アセスメントの制度を有名無実化させてしまいかねない控訴審判決の見直しを求め、最高裁判所において適切な判断を仰ぐため、上告及び上告受理申立を行いました。

今後とも、ご支援賜れますと幸いです。


上告状兼上告受理申立書(PDF

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