【お知らせ】気候変動訴訟動画公開記念ウェビナー「温暖化で争えない?発電所稼働をめぐる国との裁判」
神戸市において石炭火力発電による環境問題に取り組む、神戸石炭訴訟原告・弁護団、神戸の石炭火力発電を考える会は、気候訴訟を分かりやすく伝える動画「温暖化で争えない?発電所稼働をめぐる国との裁判」を制作し、YouTubeにて予告編を公開しました。
今夏、日本は記録的な猛暑に見舞われていますが、世界各地でも地球温暖化の影響が懸念される事象が見られます。欧州では40℃を超える猛暑が続き、熱中症によって生命を奪われる事態が発生しています。また、アフリカでは深刻な干ばつが続き、1,000万人以上が飢餓に苦しんでいる状況にあります。こうした気候危機の深刻化を最小限に留めるには、温室効果ガスの大幅な削減が早期に必要とされています。
しかし、日本では温室効果ガスを大量に排出する石炭火力発電所の建設が進められており、神戸市においても神戸製鋼所が2022年に新たな石炭火力発電所を稼働させ、今年度中にさらに1基を稼働させる予定で、現在、試運転が進められている状況にあります。
当会は、兵庫県内の石炭火力発電所による環境問題に取り組み、環境悪化を懸念する県民と共に脱石炭火力の必要性を訴え、行動してきました。2017年には、兵庫県公害審査会への公害調停の申し立てを行い、神戸製鋼所の石炭火力発電所建設中止を求める法的アクションを開始しました。そして、2018年より訴訟へと移行し、2つの裁判所で争っています。
地球温暖化問題は、健康的で持続可能な環境で暮らす権利を脅かす、重大な人権問題です。7月28日には、国連総会においても「安全で清潔、健康で持続可能な環境へのアクセスは普遍的人権である」とする決議が、日本を含む賛成161で採択されました。
神戸石炭訴訟は、そうした国際認識のもとで提起されたもので、2つの訴訟からなります。一つは、石炭火力発電所の建設・稼働を進める神戸製鋼所らに対する民事訴訟です。もう一つは、気候危機が深刻化するなかで、石炭火力発電所の建設を認めた国の判断・責任を問う行政訴訟の2つです。
民事訴訟は、2022年10月に結審を迎える見通しで、行政訴訟は2度の判決を受け、現在は最高裁へ上告し、審理を行うかについて検討されています。私たちは、より多くの方々に、この裁判で何が争われているかについて、初めて触れる方にもわかりやすく伝える必要があると考え、神戸石炭訴訟原告・弁護団では新たな試みとして、行政訴訟を題材とした法廷ドラマを制作しました。
【予告編】ドラマ「温暖化で争えない?発電所稼働をめぐる国との裁判」
今回の法廷ドラマを通じて、より多くの方々に、気候変動問題は人権問題であること、神戸石炭訴訟が目指すもの、日本の司法における課題について伝えていくことで、社会に広く訴えかけ、判決、政策を変えていく力にしていきたいと考えています。なお、動画本編の公開は、9月4日(日)18:30の公開記念ウェビナーにて行う予定です。
【動画公開記念ウェビナー9月4日】ドラマ「温暖化で争えない?発電所稼働をめぐる国との裁判」
プログラム(※変更となることがあります)
・法廷ドラマ企画について
今井 絵里菜(神戸石炭訴訟原告)
・気候訴訟の現状 世界と日本について
一原 雅子さん(神戸の石炭火力発電を考える会) 【資料】
・神戸石炭訴訟の到達点 判決から見える日本の司法の課題
池田 直樹(弁護士・神戸石炭訴訟弁護団)
杉田 峻介(弁護士・神戸石炭訴訟弁護団)【資料】
・質疑&ディスカッション
齊木 貴郎さん(横須賀火力発電所建設を考える会共同代表、横須賀石炭訴訟原告)
河石 良太郎さん(気候訴訟JAPAN)
行松 妃奈子さん(気候訴訟JAPAN)
山崎 鮎美さん(350 NEW ENEration)
藤丸 徹(神戸石炭訴訟原告)
廣岡 豊(神戸石炭訴訟原告代表幹事)