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【要請】コロナ禍における裁判の傍聴について(2020/09/24)

 In 声明

神戸製鋼所石炭火力発電所訴訟原告団では、コロナ禍における裁判の傍聴における人数制限について、ハード面を含めた抜本的な感染防止対策等により、傍聴者のキャパシティーを可能な限り確保するよう求める要請書を神戸地裁へ提出しました。

なお、当原告団は、東京地裁・高裁へ提出された、東電株主代表訴訟他27団体の要請書にも賛同し、東・西の裁判所で同日提出しました。

原告団としては、コロナ禍においても、裁判所の実質的公開を確保し、積極的に公開してくため、裁判の傍聴希望者に対して可能な限り配慮する必要があり、裁判所に追加的な対応を求めていきたいと考えております。

今後とも、傍聴制限により裁判への参加が難しい状況が続くかもしれませんが、オンライン報告会などを通じて、情報を発信してまいりますので、引き続きご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

2020年9月24日

神戸地方裁判所
宮崎 英一 所長

神戸製鋼所石炭火力発電所訴訟原告団

コロナ禍における裁判の傍聴について(要請)

貴裁判所におかれては、新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止のため、期日の多くは、これまで延期の扱いとしてされていたところ、6月以降、緊急事態宣言の解除等を受け、いわゆる「3密」を防止する観点から、感染防止策を講じつつ再開実施されていますが、期日における密集を防ぐという理由から、傍聴券の配布制度の導入など法廷の傍聴席は大幅な制限が為されております。

私どもが原告となって臨んでいる神戸製鋼所の石炭火力発電所の建設・稼働差し止めにかかる本民事訴訟は、気候変動、大気汚染に関わる極めて重大かつ関心度の高い社会的問題です。

原告は自らの私益を追究する目的でなく市民を代表する意思をもって、世代を超えて広く社会にこの問題を問いかけたいという趣旨で訴訟と向き合っています。そのためには、本訴訟を通じて当問題の本質(大気汚染リスク、気候変動リスク)について広く社会に対し、不断に問いかけを行っていくことが必須と考えており、一般の市民の方々に本裁判を傍聴して頂くことは、当裁判活動にとって極めて根源的で、かつ重要な我々の活動の一環であると位置づけています。

しかしながら、当該訴訟のように原告多数の訴訟において、大法廷であっても、当裁判に関心がある一般傍聴者の席が十分に確保できない現在の状況は、当該訴訟に関心ある市民の傍聴を制限することになり、裁判の公開の趣旨から望ましくない状況であると思っております。

裁判の傍聴は市民と司法との重要な接点であり、裁判の公開は近代裁判の原則であると理解しています。また、市民の監視、批判により公正な裁判を確保し、市民の知る権利に応えることであると考えます。裁判期日におけるすべてのやりとりは本件における問題点を知るための「情報」への最も重要なアクセス手段であることは言うまでもありません。

裁判の公開、傍聴は、当該裁判に対する私ども原告(市民)の信頼確保に資するものであるとともに、原告(市民)の間に当訴訟に関する法的知見を普及し、法意識の強化に資するものであるとも考えます。

新型コロナウィルス感染症については、長期にわたる対応が必要との指摘がされているなか、将来を見据えて、裁判傍聴のあり方についても検討をすべきと考えます。コロナ禍においても、裁判所の実質的公開を確保し、積極的に公開してくため、当該裁判の傍聴希望者に対して可能な限り配慮して頂く必要があると思っています。

そこで、ここで改めて、新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止を理由とした抽選による傍聴制限という当面の対応の前に、ハード面を含めた抜本的な感染防止対策等により、傍聴者のキャパシティーを可能な限り確保するという措置を講じて頂くよう強く要請します。

要請書(PDF)

コロナ禍における裁判の傍聴について(要請)

(以上)

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