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【声明】明日を生きるための若者気候訴訟(若者気候訴訟)の提訴を受けての共同声明(2024/08/06)

 In 声明

明日を生きるための若者気候訴訟(若者気候訴訟)の提訴を受けての共同声明

本日、全国の若者たち16名が、株式会社JERAなど火力発電所を擁する発電事業者10社を被告として、CO2排出差止めを求める訴訟(以下若者気候訴訟という)を提起した。

若者気候訴訟の被告には、株式会社神戸製鋼所(以下「神戸製鋼所」という。)も含まれていることから、神戸製鋼石炭火力訴訟原告団・弁護団(以下単に原告団・弁護団という)として、私達の危機感が広く若い世代に引き継がれ、進みゆく気候崩壊がこれからの世代に対して特に深刻な人権侵害になっていくという認識が、より広く社会に浸透することを願って、本声明を発出するものである。

若者気候訴訟の第1の意義は、少子高齢化社会にあって、これからの日本社会の中核になっていく若い世代が、深刻な人権侵害を受ける当事者として集団で声を上げた点にある。

神戸訴訟では、幼児から高齢者まで幅広い世代が原告に加わり、各世代特有の被害の顕在化に焦点を充てている。若者気候訴訟では、あえて若い世代のみが原告となることで、CO2の大量排出による受益者と被害者の間に不公正な世代間格差があることを明らかにしている。

本訴訟の第2の意義は、日本においてCO2の大量排出を継続している主力火力発電事業者集団を特定することで、日本において誰が世界的な気候変動の悪化に対してより大きな影響を与えており、若い世代を含めた市民に対する人権侵害の主体であるかについて、客観的に明らかにしようとしている点である。本訴訟においては、これら事業者の過去および現在の排出量のみならず、今後の中期的なCO2の削減対策を俎上に載せ、それらが国際的な目標と整合性を持たない不十分なものであることを争点にしようとしている。

この点、神戸訴訟では、日本全国での近年の新設石炭火力発電所をリストアップし、事業者集団としての共同排出量の巨大さを問題にはしているものの、請求そのものは特定の新設火力発電所からのCO2排出を対象としている。それに対して、若者気候訴訟は、日本を代表する大量排出者である火力発電事業者集団を相手取って、共同不法行為に基づく連帯責任を問うている点で、新たなステージに入っている。

第3に、被告となった事業者の集団内においても、CO2削減対策への本気度の差が浮き彫りになる点である。被告らはいずれも巨大排出事業者として排出に対する連帯責任を負うものの、ほとんどの事業者はそれぞれの削減目標を自主的に設定し、対外的には期限を定めた削減努力を行うことを情報発信している。しかし、神戸製鋼所のように、訴訟においてすら、CO2の削減について具体的な対策を明らかにしないばかりでなく、いまだに年限を限った明確な目標を設定しない事業者もあり、被告企業の間にも取組み姿勢の温度差がある。本訴訟は、被告らが依拠する自主的取組の実態とその限界を明らかにするとともに、被告内部においてもなお、削減対策に消極的姿勢を維持している事業者の存在を国際社会に対して明らかにしていく意味を持ちうる。

神戸訴訟の原告団・弁護団は、若者気候訴訟を受理した裁判所が、深刻化する気候危機の実態に照らして、原告らの問題提起を真摯に受け止めるとともに、被告ら事業者のCO2排出削減対策の現実を見据えたうえで、世代間で不公正な人権侵害の進行について、公正な判断を下すことを切に期待するものである。

2024年8月6日

神戸製鋼石炭火力訴訟原告団

神戸製鋼石炭火力訴訟弁護団

若者気候訴訟HP

https://youth4cj.jp/

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